絨毯好きのつどい




先日のHAGISOでの監督のトークショーにて、ハーブ&ドロシー
初日1回目に、ドロシーさんご本人がゲストでいらっしゃると聞いて、
3/31(土)の午前中新宿ピカデリーに向かう。


上映後に、ドロシーさん登場。
映画の中のそのままの姿と声(声がなんとも軽やかで優しい)に
あたりまえだけど感動し、
そしてちょうど桜の時期に日本に来られたことを喜んでいらっしゃったことが
とても嬉しかった。1年で一番、活気のあるいい時期。
牛丼がお好きで、国立美術館で桜を見ながら牛丼を食べたとか、
ユニクロがお気に入りとか、親しみを感じる裏話も。

第2弾「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」は、
2人のコレクションが全米50州、各州1か所の美術館に50点ずつ
寄贈されていく様子を追ったドキュメンタリーです。

何か書くとネタバレになりそうなのでひとつだけ。
最後が素敵です。2つの映画を包括する感じのラスト。
ぜひ1をDVDで見て、2を見に行ってみてください。

-----------------

アートコレクターの映画の後、絨毯コレクターの集いへ。
何か空気の密度が濃い1日。

トライブさんのウェアハウスにて、新しく仕入れられた絨毯を拝見するお茶会(?)。
絨毯コレクターで有名なTさん始め絨毯好きな方々、
そしてトライバルラグ研究家で絨毯織りをされているTさんとご一緒させていただく。

コレクターTさんは絨毯に関する素晴らしいブログを書かれている。
日本では手織り絨毯の情報が少ない中、以前から拝見させていただいていた。

(先日ブログの中でご紹介いただいたので、リンクをたどって来て
いただいている方もいらっしゃるかもしれません。ありがとうございます。)

そしてトライブの榊さんは、トライバルラグそのものから、部族の歴史、文化
その他幅広い知識と軽妙な語り口で(本当に!)おもしろく、
お話も尽きることがない。

手仕事関係の方々と一緒に情報発信をされたり、織りや紡ぎなどの
ワークショップを開催されたりと、手仕事文化を伝える活動をされている。

トライブさんの絨毯キリムの山の何十分の一か。。




知識豊富な皆さんの話をうかがいながら、
床いっぱいに広げては片づけ広げては片づけ…。
(右の一番上の絨毯が私の好みで大きく撮ってみました。)




ゆるキャラに笑ったり…。
(ヤギ?目大きすぎるし、しっぽはやけに躍動感ある。)



何か出るらしい、、という噂の絨毯の話を聞いたり…。




皆が気にいった自由きままな柄のカシュガイの絨毯、
でもフリンジの始末がクルドっぽい、カシュガイ柄をマネしたクルド絨毯、
とかマニアックなネタ揃いで、何か史学専攻だった学生時代を思い出した。

個性的で質のいい絨毯は、20年前ならたくさんあったけれど、
今はほとんど出てこない。
イランの織り手の給料も上がっていて、近々絨毯も3倍くらいの
価格になるかもしれない。
買えない価格になっていったら需要も少なくなり、
そう遠くない先に手織り絨毯というのは廃れてしまうかもしれない。
といった、現実的な話もうかがった。


あっという間に夜も更けて、昼過ぎから集まったのに終了時間はなんと夜9時過ぎ。
皆さんありがとうございました。貴重な時間でした。


さて、私はトルクメン、ヨムートの小さなフラグメントをひとつ購入。
写真一番上へ戻る。
小さくても存在感大きいトルクメン。
織りはキッチリみっちりして、ギュル3つ分で納まりもいい。
サイズがこのボードにぴったりな気がして。
100年ほどは経っているアンティークでしょうとのこと。

リンブルグの白といわれる、ドイツ製のガラスの一体型成型の照明の下に敷いてみた。
(つなぎ目のないガラスのシェード)
ドイツの職人技と、トルクメンの職人技。


絨毯を部屋に置くようになってから、
無機質なガラスや金属の家具・雑貨を積極的に取り入れるようになった。
ガラスや金属はそのままだと触り心地も見た目も冷たい。
でも無機質なマテリアルが、トライバルラグのワイルドさを少し抑えてくれて、
お互いにバランスよく調和する。

4 件のコメント:

  1. こんにちは、ぷぎーことTです。土曜日はご一緒できて楽しかったです。ありがとうございました。
    ヨムートのフラグメントがガラスランプの柔らかい灯りに染められてステキですね。見ていると気持ちが安らぎます。
    トライバルラグってつい柳宗悦とか白洲正子とか、古民家のしつらえに合うって思っちゃうんですが、こうしたモダンデザインにも合うんですね。モダンデザインの側から考えても、単独だと清潔すぎるというか割り切りすぎた感じになるのを、絨毯によって落ちついた味わいが出るのかもしれませんね。
    とても参考になりました。これからもステキな記事を楽しみにしています。

    返信削除
  2. Tさんコメントありがとうございます!
    土曜日は本当に皆さんの知識と探究心に感心するばかり。

    トライバルラグ×古民家は最高に合いますよね。
    和室自体が非常にシンプルで洗練されているから、
    そこにトライバルなワイルドな柄物を合わせていく楽しさもありますし。

    私はもともとシンプルモダンなインテリアが好きで、
    (絨毯が増えてからは、よりモダン寄りへ。)
    絨毯をどう取入れると違和感がないか、そして行き過ぎたなと思ったら
    何かを引くとか中和させるというバランスでやっています。
    おかげでカーテンはアイボリーですらない真っ白です(笑)。

    ヨムート、まるで油絵具で塗ったみたいにまったりとした質感で、
    茶紫のような色も落ち着いていて存在感があります。
    真っ白いガラスともこうして馴染みますが、
    やっぱり「質感が本物」同士だから生まれる緊張感というか、
    適当には合わせられないなとは感じます。

    勢いで作ってみたブログで、、Tさんのように長く続けるのは大変だなと
    すでに感じています。無理せずがんばります(笑)。

    返信削除
  3. 『絨毯好きのつどい』あっという間に時間が経っていてびっくりでした。楽しい時間でした。
    ヨムートのフラグメントとドイツのガラス照明にぴったりですね。トライバルラグの新しいコーディネイトサンプルですね。濃すぎる部族系オリジナル毛織物にはその強さを和らげる何かがあるといいな。と思っていました。これなら日本的な空間にも行けそうですね。
    素晴らしいアイデアです。

    これからも新しい提案期待しています。

    ハーブ&ドロシーいい映画でしたね。何かにのめり込む楽しさとその方法を教えてもらった気がしました。

    返信削除
  4. 榊さん
    貴重な場を設定していただき、また現地ではお店の奥の箱にしまわれているようなものを(笑)、
    惜しげもなく披露していただきありがとうございました。

    テーブルランプの下に敷くのはいいですよね。
    陰影が浮かび上がって素敵です。
    アンティーク絨毯は存在感が大きいので、空間になじませるために逆の雰囲気のものを
    合わせたりしています。
    和風なら、すっきりした行燈のような照明の下でもいいですね。

    ハーブ&ドロシーご覧になったんですね。
    コレクションと同時に人間関係をとても大事にしていて、だからこそなんだなと思いました。

    返信削除