アートもラグも


ちょっと絨毯から逸れて、アートと映画の話。
ハーブ&ドロシー」という映画が公開されたのは2010年。

郵便局員のハーブと図書館司書のドロシー夫妻は、
ニューヨークの有名なアートコレクター。
つつましい生活の中から、30年間で2000点を越える現代アートを集め、
ナショナルギャラリーに寄贈するほどに。

夫妻がどのように屈指のコレクションを築いていったか、というドキュメンタリー。

当時、渋谷の小さな映画館でロングラン上映され、公開して
しばらく経ってから見に行ったけれど、
早めに並ばないと見られないほど各回満席だった。

元々アートは好きで、生活に自然と存在するものであったけど、
部屋に飾ってみたい、新しいものを見に行きたいという気持ちがムクムクと沸いてきた。
本当に素敵な映画だった。

現代アートへの少しの心の壁が、彼らの(そして映画の監督の)目を通して見ることで
自然と取り払われて、ニュートラルな状態で見られるような感覚。
それに、誰もがこの映画の多面的な魅力のどこかに惹かれるのではないか。
心からの情熱とか純粋さに、感動したり羨ましく思ったり。

そして今月末からその第2弾、
「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」が公開される。
第2弾の噂を聞いていたけど、今回「HAGISO」という新しいクリエイティブな会場で
映画の監督のトークショーが行われると聞いて申し込んで行ってみた。

監督は日本人の女性で、この第1弾が初めての映画作品。
映画を制作して公開するというのは、ものすごいエネルギーが
必要な作業であると思う。
それが出来るのはこういう方なんだろうなと。
人を惹きつけるものがあって、人を動かす力がある。
(もちろん自分自身が動くことによって。)

第2弾とても楽しみです。



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ハーブとドロシーがアートを選ぶ基準は2つだけ。
(まずは二人が気に入ったもので。)

1.自分たちのお給料で買える値段であること。

2.1LDKのアパートに収まるサイズであること。



絨毯の話に少しつなげると。手織り絨毯もアートと同じくすべてが1点もの。
値段も、良し悪しも、イマイチ基準がわからない。
でも、もし興味があれば、まずは手の届く価格の中で、
そして自分の琴線に触れる何かがあるものを、
家に置いてみたいなと思ったもの、そんな感じで見ていきたい。

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そして会場となった「HAGISO」。
築50年の日本家屋をリノベーションして作られた。
今回のイベントで初めて存在を知ったけれど、
その紆余曲折、関わった方々、実際のリノベーション後の姿、
いろいろ魅力的なので、詳細はサイトの方でぜひ。







イベントスペースは普段はカフェ。
この素敵な場所にまた近いうちに来たい。



HAGISOは谷中ぎんざを入ってすぐのところにある。
商店街は、まるで昭和を再現した映画のセットのよう。
「谷根千」という地区は、アートギャラリーも多い。
上野や芸大もほど近く、芸術家のたまごもたくさん住んでいる。

古いものはそのまま存在し、しかも新しいものがどんどん入り込んで
生まれ育っていく。そういう風通しのよさ、懐の深さは、
ここに馴染みのない人間にも感じることができる。











最後に、ちょっとこじつけ的に。
上の写真右に赤い華やかな照明が見える。
ZAKUROという有名なイラン、トルコ、ウズベキスタン料理屋さん。
何年か前に一度だけ来たことがある。
(当時と微妙にお店の位置が移動している。)

床にも壁にも絨毯が敷き詰められ(張り巡らされ)ていて、
絨毯好きなら一度は訪れる価値あり(?)。

入り口をのぞくとすぐ絨毯の間、大賑わいでした。
今回は時間がなかったので、またいつかご紹介できれば。

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