Tulu rug

トルコにトゥル(Tulu)という手織り絨毯がある。

とてもプリミティブな絨毯で、キリムと同じ平織の間に、
染めただけで紡いでいない、つやつやしたウールの原毛の束を
縦糸に結び付けていく。横糸は1本でなく複数。

見た目はカラフルな、もしゃもしゃとした動物のような感じのものが多い...。
ワイルドでゴージャスなタイプの絨毯。

染めていない原毛の色だけのものあって、それもシンプルで素敵。

うちにある、このタイプもTulu。Tuluのついたキリムクッションと一緒に。




前回に引き続き、2010年12月のELLE DECORより。
Xmasの特集だから時期外れの雰囲気ですが。
ここに、見える限りで6枚のTuluが敷かれていて、とても豪華。

赤いTuluは艶がより一層目立ちます。
拡大してもわかりづらいので、気になる方は
「Tulu rug」 「Tulu turkish」などでぜひ画像検索をしてみてください。




戻って。。



全体を見ると不思議なブルーのグラデーションになっている。
(毛流れからみると下側が織り始め)
赤は全部同じ色なので、青を背景として、赤が浮き上がって見えるように
というのが、デザインの狙いなのではと思う。
たぶん1970年代の絨毯。

そう、こんなにモダンなのに40年も前のものなのです。

この格子柄のタイプもよくTuluのデザインにあって、
同じように背景がグラデーションになっているものは多い。



近くで見ると...。紡いでない、軽く撚っただけという感じのウールなのがわかる。
ワイルドな切り口。

夏は、少しさらっとした裏側を使うことも可能。
横糸2本入れては、Tuluを2段結び付けている。



最初に書いたように、とてもラフな絨毯で、
デザインは幾何学でモダン。受け入れられる年齢層は広いと思う。
欧米のインテリアサイトなどでは一般的だけど、
ボシャラウィットの次にそろそろ日本でも流行るだろうか?

値の張るものではあるけど、ボシャラウィットも若い女性に広まるには
高価なものだったと思う。
普通の140×200のアクリルラグなら30000円程度。
ボシャラウィットは、その倍くらい。
しかもボシャラウィットはほぼ合繊なので、使うほど味がでるものではない。

アクリルのラグを敷くよりはるかに家具を引き立てるし、
ウールは季節問わず足にさらりとなじむ。吸湿発散性に優れている。
(アクリルのラグは夏はペタペタとする。)
冬はもちろん、Tuluのたっぷりと空気を含んだパイルの断熱効果は驚くほど大きく、
敷いていると底冷えしない。
気温差の激しい砂漠でも昼間は熱を通さず、夜の寒さもしのげるものだったはず。

どうも日本では敷物関係は女性のファンのほうが多いのだけど、
このTuluのワイルドさなんかは、たとえばジャーナルスタンダードの家具が
好きなような若い男性、
本物の質感が好きで、ざっくりとした工業系のインテリアのワンポイントなどに
とても似合うと思う。

もちろんモダンインテリアには好相性。

とはいえ、まだまだTuluを実際に見て購入できるお店はほとんどないし、
いいオールドのTuluは高価でなかなか手に入らないけれども。

ちなみに、これは個人でお店を開かずに販売している方から、
とてもお手頃価格で購入させていただいたもの。
使いにくい色で一見敬遠されて売れにくいのかもしれないけど、
(Tulu自体メジャーではないということも。)
置いてみればなんてことなく馴染む。

ベッドサイドや玄関マット…家の中でぐるぐると位置を変える意外と万能な絨毯。

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