さて、前回のトゥル、前々回のボシャラウィットに引き続き、
2010年12月のELLE DECOR(しつこい)。
この時期、絨毯業界に革命が起こったのではないかと思うほど、
いろいろな絨毯がひっそりと紹介されていた号。
パッチワークのペルシャ絨毯の登場。右ページ。
グリーンの絨毯。
いくつものパイルの擦り切れた古いペルシャ絨毯を脱色、同系色に染色、
パッチワークしている。この号で初めて存在を知って新鮮な驚きだった。
この直後、ロイズアンティークスの実店舗にて、
同じタイプが扱われているのを発見。店員さんにELLE DECORで見たと
伝えたら、よく気付きましたねと、喜んでくれていた(と思う)。
ピンクや青のタイプもあった。
そこからはあれよあれよという間に広まった、という気がする。
有名なインテリアショップではよく見かけるようになった。CIBONEとか。
擦り切れてボロボロで捨てられる運命の絨毯が美しく(高価に)生まれ変わるのだから、
多くの人が飛びつかないわけがなかったのかなと(無粋)。
ペルシャだけでなく、トルコ絨毯のタイプもある。
それにしても、こんなに全体の雰囲気を決めている大事な絨毯なのに、
文中で一言も言及されていないという、絨毯の扱いの軽さ...。
掲載されたモロッコのボシャラウィットも、トルコのトゥルも、ペルシャ絨毯も、
パッチワーク絨毯も、トライバルラグ(この号にアフガンの美しい赤い絨毯も)も、
キリム(これも素敵なものが)も、扱う業者さんやお店のタイプはそれぞれ。
横断的に扱われることはないので、実際には革命は起こらず、
それぞれの世界で、それぞれに静かに流行するのみ。
でも、これだけエッジの効いた人々が、この号で一斉に絨毯にこだわりを見せたことは、
(たとえ作られた流行だとしても)
もう少し拾い上げてもよかったことなのではないかと、
ひっそりと勝手に思っていた(ので、2年以上も経って吐き出してみる)。
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